Thanks to Child~vol.1~

September 24, 2017

こどものハッピーと、お母さんのイキイキを。 

 

 

やわらかなネロリの香りに包まれた店内。

ぬくもりのある木のテーブルに、棚にはガラス製の瓶が並ぶ。

カラフルなマットに、壁には小柄なフラッグが。

美しさと、キュートさが共存する空間。

そこはthanks to Aroma

 

 

オーナーは西田伸恵さん。

至る所に心配りを感じられる店内、それは西田さんのぬくもり。

 

〈アロマや食育に関する本が並ぶ〉 

 

〈眺めているだけで惹かれる、多様な瓶が並ぶ棚〉

 

 〈それぞれ効能が異なるハーブウォーター〉

 

 〈様々な種類の精油〉

 

 

 

 

 

thanks to Aromaはアロマオイルを販売しているお店。

だけの場所ではありません。

 

 

カラフルなマットでは、子どもたちがわいわい遊んでいたり。

テーブルでは大人たちが勉強会を開いていたり。

かと思えば、小さな子どもを持つお母さんたちのお悩み相談がはじまったり。

 

 

様々なことが日々繰り広げられる、不思議な場所。

店の雰囲気、そこに集まる人たちの息づかい。

それはまるで、

 

 

森の中で妖精たちが、魔法を習っているみたい。

 

 

もちろん魔法使いの講師は、西田さん。

妖精たちの悩みを全て笑顔に変える、ユリの花。

 

 

 

 

妖精たちは、ユリの花に集まって、蜜を吸ったり、背中の翼を休めたり、心を癒されたり。

そして、魔法を教えてもらってまた空へと旅立つ。

 

 

「ここに来ると元気が出る」

 

 

そう口々に揃えて話す妖精が、旅立つ時はいつも笑顔になっている。

ユリの花言葉は、純潔・威厳・無垢・壮大な美

西田さんにぴったりなワード。

 

 

 

 

西田さんは元々、保育士。

3人目の子どもの出産で育休に入ったのを機に、食育とアロマを広めることに活動の拠点を移していきます。

子どもとお母さんの教室を開き、食育をテーマに数々の講演会を、そしてお店の開業。

 

 

そう聞くと計画的な人生設計をイメージしがちですが、意外にも西田さんの決断は成り行き任せ。

自分で「決める」よりも、周囲に求められて活動の幅を広げてきた、といった方が正しいように思います。

 

 

さてさて、そんな西田さんの人生をゆっくりと紹介していきましょう。

 

 

嶋津「今日はよろしくお願いします」

 

西田「お願いします」

 

 

 

 

 

夢は幼稚園の先生。

 

嶋津「お店を経営しながら、アロマのスクールや、子どもたちの教室、と手広く活動されていますね」

 

西田「そうですね」

 

嶋津「え、これは?(ホワイトボードに貼ってあるチラシを見て)」

 

西田「バーベキューのツアーです」

 

嶋津「バーベキューですか?」

 

西田「和歌山の田辺市からまちの活性化の相談を頂きまして、定期的に田辺に行ってるんです。嶋津さんもどうですか?バーベキュー楽しいですよ!」

 

嶋津「え!?行きたい!wwそういったこともされているのですね」

 

西田「はいww」

 

嶋津「この絵、もしかして西田さんが?」

 

西田「はい。私が描きましたww」

 

嶋津「え?上手過ぎません?これイラストレーターの方が描くレベルですよ!」

 

西田「嬉しい!ww私、幼稚園の先生にならなかったら、絵本作家になりたかったんですww」

 

〈バーベキューの応募表に思わずほっこり〉

 

 

嶋津「どうりで上手なわけですね。どうして絵本作家にならなかったんですか?」

 

西田「私、4歳の頃からずっと幼稚園の先生になりたかったんです」

 

嶋津「4歳?」

 

西田「それで、そのまま幼稚園の先生になったんですが、その前に母に相談したんですね。すると母が『これから日本は少子化になるでしょ。子どもが減っていくと保育士の採用は難しくなっていくからやめておきなさい』って。だから私、『それじゃあ絵本作家になりたい』って言ったんです」

 

嶋津「はい」

 

西田「じゃあ母が『そっちの門の方が狭い(食べていくのが難しい)から、保育士の方にしておきなさい』ってwww」

 

嶋津「確かにそうかもしれませんwww絵本作家の夢が幼稚園の先生の夢の後押しになったんですね」

 

 

 

 

 

大好きな先生に憧れて。

 

 

 

嶋津「それにしても4歳にして既に夢を持っていたっていうはスゴイですね!」

 

西田「大好きな先生がいたんです」

 

嶋津「西田さんが通っていた幼稚園の先生ですか?」

 

西田「はい。石井先生という方で、当時はまだ20代だったんじゃないかなぁ。とっても素敵な先生で、私、石井先生のことが大好きだったんです」

 

嶋津「どんな先生だったんですか?」

 

西田「ちゃんと私のことを見てくれていたんです」

 

嶋津「はい」

 

西田「私、3月28日生まれなんですね。早生まれで、他の同級生に比べたら体も小さくて」

 

嶋津「4月生まれの子とはほぼ1年の差がありますね」

 

西田「奥ゆかしい性格だったんですww男の子にもよくいじめられて泣かされたり、自分から気持ちを伝えることができなかった」

 

嶋津「そうだったんですね」

 

西田「でもね、そんな私でも石井先生はちゃんと見てくれていた。それがとても嬉しかったんです」

 

嶋津「素敵な先生だ」

 

西田「年長さんになると先生が変わりました。そこで私はより強く石井先生の偉大さを知るんです」

 

 

年長(5歳)の組に入った西田さん。

そこで新しく担任となった先生は50代くらいの女性。

それはそれは厳しい先生だったといいます。

 

 

 

西田「ある日、授業中にお手洗いに行きたくなったんです。先生に言ってから友達と一緒に教室を抜けておトイレに行きました。するとね、トイレの床が汚れていたんです」

 

嶋津「はい」

 

西田「お友達に『きれいにお掃除しよっか』って言ってね、二人で水を床に撒いて、石鹸を転がしてね。ゴシゴシ二人でやってました」

 

嶋津「まじめな子どもww」

 

西田「私たちがトイレに行ったまま、なかなか帰って来ないものだから、先生が探しに来たんです。すると、床じゅう水浸しにしゃぼんまみれ。まだ石鹸を転がして何だかんだとやっているものだから『立ってなさい!』って叱られて」

 

嶋津「良かれと思ったのに、ね」

 

西田「私、悲しかったんです。叱られるのは仕方ないとしても、理由を聞いてもらえなかった。立たされて泣きながら、でも、子どもながらに『遊んでいたわけじゃないのに』そういう気持ちがあったんです」

 

 

その先生と出会ったおかげで、石井先生がどれだけ素晴らしい先生なのかということが分かったといいます。

そしてまた、先生には色んな人がいるということを学んだと話しました。

 

 

西田「幼稚園を卒業して、小学一年生になった頃に石井先生に手紙を出したんです」

 

嶋津「かわいいですね」

 

西田「そしたらお返事の手紙が来て、それをね、読んでいると自然と涙が溢れてきたんです」

 

嶋津「はい」

 

西田「私、悲しくないんです。悲しくないのに次から次へと涙が溢れてきて。母に『お母さんおかしいよ。悲しくないのに涙が出るの』って言ったんですね。そしたら母が『伸恵ちゃん、涙ってね、嬉しい時にも出るのよ』って。私その時はじめて、うれし涙というものを経験したんです」

 

 

 

 

 

幼稚園の先生は、子どもが親以外に初めて出会う大人。

 

 

石井先生との出会いで、自分も幼稚園の先生となると決めた西田さん。

今まで控えめな性格が、小学4年生を期に活発に変わっていったといいます。

 

中学、高校では女子バレーボール部のキャプテンを務めました。

忘れ物をしただけで泣いていた幼少期からは考えられないほど。

 

 

西田「でも、自分から立候補をしてキャプテンになったわけではないんです。全て成り行きでww」

 

嶋津「分かります。みんな西田さんに頼りたくなるっていうのが」

 

西田「私、頼りないですよ!方向音痴だしww」

 

嶋津「方向音痴なんですか?ww」

 

西田「もう、すごいです。部活で試合に行く時には仲間の部員に『ノブは先頭に行っちゃダメ』って。一度ね、試合に遅れたことがあるんです。私とエースストライカーの子が迷子になってww」

 

嶋津「部長とエース不在ってww」

 

西田「みんなてんやわんやになったってww私、色々とできないことが多いんですよ。だから反対に自分でやるのは諦めて、得意な人に任せることが上手になりました」

 

 

西田さんに頼りたくなるのは、彼女の言葉が真っ直ぐだから。

言葉、想い、瞳。

清らかで、こよなく健やかで、真っ直ぐで。

純粋、無垢、それはユリの花言葉。

 

人は真っ直ぐ(純粋)なものに惹かれる。

真っ直ぐなものは、

 

希望を抱かせてくれる。

浄化してくれる。

 

そう、一緒にいるとなんとかしてくれる。

 

 

 

 

 

みなさんのお陰で、やってこれました。

 

西田「だから、人の長所を見つけるのが上手なのかもしれません。自分にはできないことが多いから」

 

嶋津「得意な人それぞれに仕事を割り当てる。リーダーになるべくしての素質ですね」

 

西田「いえいえ、周りの人が協力してくださったおかげです」

 

 

幼稚園の先生になりたいという志を貫き、西田さんは常磐会短期大学へ進学します。

大学でも大学生実行委員の委員長を務め、周りを束ねる活動に力を注いできました。

リーダーの大変さを実感します。

 

 

西田「実行委員で活躍する先輩たちが格好良かったので、私も憧れて実行委員に入りました」

 

嶋津「大学生実行委員の委員長っていうのはどういった役割ですか?」

 

西田「大学では色々な行事があります。有名なところでは体育祭や大学祭。それだけではなく色々なイベントを年間を通して企画運営するのですが、その全体をまとめます」

 

嶋津「総まとめ役ってことですか!?すごい!」

 

西田「でもね、大変だったんです。花形の体育祭実行委員や大学祭の実行委員は派手な子が立候補して、私と一緒にコツコツやってきたメンバーは地味な仕事に追いやられたんです」

 

嶋津「真面目な子って損な役回りが多いですもんね」

 

西田「みんなが楽しくできればいいのですが、派手な子は外での付き合いも多いですから『バイトがあるから』とか『友達と約束があって』とか、何だかんだと実行委員の集まりを休むんですね」

 

嶋津「分かる気がします」

 

西田「真面目なメンバーは一生懸命やってきたのに地味な仕事に回され、辞める子もいました。派手な子は協力的でない。それを全てまとめようと思ったらとても大変で。できなかったら責任は全て私に回ってくる」

 

嶋津「それは大変だ!同じ志の元に集まったのならまだやりやすいですが、そこまでバラバラだったら言葉だけじゃ伝わらない」

 

西田「そうなんです。でも、そこから学ぶことは本当に多かったです」

 

嶋津「はい」

 

西田「人がやっていることを見ても、それが本心ではないということがあります。自分自身も、他人に合わせた態度をとっていたりすことがある。表からじゃ分からないことは意外にもたくさんあって」

 

嶋津「その人の言葉や行動は本心からくるものではなく、建前上のことがたくさんある、と」

 

西田「はい。でもね、一生懸命やっていると神様は見てくれるんだなぁって。 いつか分かってもらえる日が来る。それは、その時ではないかもしれないけれど、いつか通じる時が来ます」

 

 

 

 

 

vol.2へ続く

 

 

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